質問しているだけで、AIは上手くなる?
AIに質問はしているけれど、上手くなっているのか分からない。そんな疑問は、少しも変ではありません。では、どこまでできたら「使えている」と言えるのでしょうか。
お客様へのメール返信を例に、
頼み方が変わるにつれて手間が減っていく、
4つのステップを紹介します。
目次(この記事の流れ)
- 「上手くなった」の物差しと、自分の今の位置(自分のステップを探す)
- 同じメール返信を、頼み方を変えて追う(ステップ1〜3)
- ステップが進むと、何が変わるのか(表つき)
- その先のステップ4と、進めるコツ
- 注意点と、よくある質問
- 最後に、今週試すこと
使い始めたあとに迷うのは、自然なこと
総務省の2026年の調査では、仕事や生活で生成AI(文章や画像を作るAI)を使ったことがある人は、20歳以上で52.2%、およそ2人に1人でした(2026年1〜2月、日本の1,236人が対象)。
使い始めたあとに「次はどうすればよいのか」と迷うのは、自然なことです。
「上手くなった」の物差しは、時間
国のスキル標準(IPAのデジタルスキル標準。DX推進人材向け)にも、細かいレベル分けはありません。
そこでこの記事では、「同じ作業にかかる時間が、前より減ったか」を物差しにします。4つのステップは、当社の目安です。
まず、自分は今どのステップ?
例にするのは、お客様から届いたメールへの返信です。
次の4つのうち、自分に近いものを探してみてください。
自分の今のステップ
- ステップ1 質問して、答えをもらっている
- ステップ2 下書きを作らせて、自分で直している
- ステップ3 直した頼み方を保存して、使い回している
- ステップ4 保存した型を、チームで共有している
いちばん進んでいるものが、今の位置です。
次のステップが、今日の目標になります。

同じメール返信を、頼み方を変えて追う
ステップ1 質問する(悪くないが、毎回ゼロから)
お客様からのメールへの返事を、丁寧な言い方にしてほしい、とAIに聞く。これがステップ1です。
答えは返ってきますが、相手との関係や会社の決まりを、毎回説明し直すことになりがちです。ここで終わっても、間違いではありません。
ステップ2 下書きを作らせて、自分で直す
最初から全部を任せず、まず返信の下書きを作らせます。出てきた文を読み、言い方が硬い所や、事実が違う所を伝えて、直してもらいます。
名前や金額は、必ず自分の目で確かめます。
ステップ3 頼み方を保存して、毎回使える型にする
直して良かった頼み方は、保存して使い回します。ChatGPTには、指示を一度設定すると毎回使える「カスタム指示」や、仕事ごとにまとめる「プロジェクト」があります。
お礼やお詫びなど、よくある返信ごとに型を作り、次からは相手の名前と用件を入れ替えます。使える機能はプランで違うので、確認してください。

ステップが進むと、何が変わるのか
この例は、説明のために作った架空の例です。実際のお客様や取引ではありません。
お客様から、次のようなメールが届いたとします。
先日お願いした□□の納期は、いつ頃になりますか。急ぎではありませんが、目安を知りたいです。
ステップ | AIとのやり取り | 手間 | 人が確かめること |
|---|---|---|---|
1 質問する | 1回聞いて、答えをもらう | 相手との関係や、会社の決まりを、毎回説明する | 納期の日付が、合っているか |
2 下書きを作らせて直す | 下書きを作らせ、硬い所や違う所を伝えて、直してもらう | 直すうちに、好みが伝わる | 名前、金額、日付 |
3 型にして使い回す | よくある返信ごとに、型を保存する。次からは、相手の名前と用件だけ入れる | 毎回の説明が、ほとんど要らなくなる | 相手の名前、用件の内容 |
型には、「弊社」か「当社」かの呼び方、よく使う書き出しと結び、返信の種類ごとの形などを入れておきます。
ステップが進むほど、説明の手間が減って、人が確かめる所が絞れます。
その先のステップ4は、型をチームで共有すること
保存した型を、チームの共通の道具にします。ここまで進むと、メールの返し方が、特定の人だけの技ではなくなります。
人によって仕上がりが違う悩みが、減る
Claudeの「プロジェクト」は、Teamプランなら、会話や資料をチームで共有できます(Anthropicの2024年の発表)。
使える範囲は、プランで違います。
進めるコツは、特別な技より「試して直す」こと
Microsoftと、仕事用のSNSを運営するリンクトインの2024年の調査では、AIを使いこなす人の一番の特徴は、いろいろな使い方をひんぱんに試すことでした(民間の会社が行った調査です)。
試して、直して、また試す。焦らなくて大丈夫です。

注意点と、よくある質問
- どのステップでも、名前・金額・日付は、人が確かめる。AIは、もっともらしい文を作りますが、間違えることがあります。
- 保存する型に、お客様の名前や金額を入れない。入れる情報は、会社のルールで決めます。
- 全員が、ステップ4まで行く必要はない。ステップ3まで進めば、手間は十分に減ります。
Q. 無料のAIでも、ステップ3まで進めますか?
ステップ1と2は、無料のプランでも試せます。
ステップ3の、型を保存する機能は、プランによって使える範囲が違います。公式の説明で確かめてください。
Q. どのAIを使えばよいですか?
どのAIにも、保存や共有の機能があります。
ただ、機能の名前や、使えるプランは違います。今使っているAIの、公式の説明で確かめてください。
最後に、今週のメール返信で試すこと
自分の今のステップが分かったら、今週届いたメールの返信で、次のステップを、ひとつだけ試してみてください。
- ステップ1の人は、返信の下書きを作らせて、硬い所を1か所だけ、直してもらう。
- ステップ2の人は、直して良かった頼み方を、メモか、AIの保存の機能に残す。
- ステップ3の人は、保存した型を、チームの1人にだけ渡して、使ってもらう。
全部をやる必要はありません。ひとつだけで十分です。
次のステップを試すと、型がうまく作れず、手が止まる場面が出てくるものです。
どのステップまで進めばよいのか。チームで共有する方法は、決まっているのか。
一人で抱え込む前に、約1分の診断で、今の状況を見てみるのも手です。
「AIを活用したい」を選ぶと、何から手をつけるか、見えてくるはずです。
チームで使う決め方は、コンシェルジュに無料で相談できます。


