AI研修の費用、本当に戻ってくるの?
AI研修の費用が、あとから最大75%戻ってくるとしたら、気になりませんか。研修費100万円なら、会社の負担は13万円ほどになる例もあります。ただし、どんな研修でも戻るわけではなく、始める順番を間違えると、その分は戻りません。何が戻って、何を先にするのか。順番に紹介します。
10人が12時間のAI研修を受ける、と考えてみます。研修費は100万円で、先に会社が払います。あとから、中小企業なら75万円が戻ります。さらに、研修中の給料の一部として、12万円(1人1時間1,000円)も出ます。差し引くと、会社の負担は約13万円です。条件で変わるので、目安です。
お金の元は、会社が雇用保険の保険料として納めてきたお金です。社員の給料から引かれた分は入っていません。制度の名前は「人材開発支援助成金」です。会社が納めてきたお金を、人を育てるために使う仕組みなので、国が配るお金とは少し違います。
似た言葉の「補助金」は、審査で選ばれた会社だけがもらえます。助成金は、決められた条件を満たせば、原則として受け取れます。では、その条件とは何か。次の、戻る研修と戻らない研修の違いが、いちばん大きなポイントです。

クイズ: 戻るのは、どっちの研修?
同じAI研修でも、戻るものと、戻らないものがあります。次の2つのうち、国が「対象になる」と示しているのは、どちらでしょうか。
- A: 営業担当者が、生成AIで商品の提案書を作る方法を学ぶ研修
- B: AIへの指示文(プロンプト)の作り方だけを学ぶ研修
答えはA。自分の仕事に、そのまま使える研修
Aは、厚生労働省が、対象になる例として示しています。「提案書の構成案を作らせる」「文章を直させる」のように、具体的な仕事に結びついているからです。学んだことを、次の日から仕事に使えます。
Bは対象外。誰にでも共通する内容だけの研修
プロンプトの作り方だけを学ぶ研修は、対象外とされています。2026年8月の改正で、特定の仕事に結びつかない、誰にでも共通する内容は対象外、とはっきり書かれました。研修を選ぶとき、見落としやすい点です。
もう1つの条件は、研修の長さ
研修は、休憩や移動を除いて、原則10時間以上が必要です。対象は、雇用保険に入っている社員などです。細かい条件はほかにもあるので、研修を決める前に、労働局に確かめると安心です。ここまでが「何が戻るか」。次は「いつ、何をするか」です。

いちばん気をつけたいのは、先に始めてしまうこと
この制度は、研修を始める前に、会社が計画を出す必要があります。先に始めると、その分は戻りません。「いい研修を見つけたから、来週からやろう」では、間に合わないことがあります。やることは3つです。
手順1: 内容と日程を決める
前の2つの条件を、ここで確かめます。自分の仕事に直結する内容か。10時間以上あるか。日程は、計画を出してから1か月以上あとにします。
手順2・3: 始める前に計画を出し、終わったら申請する
研修の計画を書いた書類(計画届)を、始める日の6か月前から1か月前の間に、会社がある地域の労働局に出します。研修が終わったら、翌日から2か月以内に、お金をもらうための申請をします。この2つの期限は、先に手帳に書いておくと安心です。

金額と日程を、例で確かめましょう
ここからは、計算と日程の例です。この例は、説明のために作った架空の例です。実際の会社ではありません。数字や日付は、自社の内容に入れ替えて使ってください。細かい条件は、労働局で確かめてください。
例1 会社の負担を、計算する
10人が12時間のAI研修を受けて、研修費が100万円の場合です。
項目 | 計算 | 金額(例) |
|---|---|---|
研修費(先に会社が払う) | — | 100万円 |
経費の助成(中小企業・75%) | 100万円 × 75% | 75万円が戻る |
給料の一部の助成 | 1,000円 × 10人 × 12時間 | 12万円が出る |
会社の負担 | 100万円 − 75万円 − 12万円 | 約13万円 |
あくまで目安で、条件によって変わります。お金は、先に会社が払い、あとから戻るので、いったんは、100万円の用意が必要です。
例2 日程を、逆算する
研修を、2027年1月12日に始めて、1月26日に終える場合の例です。
やること | 期限(例) | 気をつけること |
|---|---|---|
計画届を出す | 2026年7月12日 〜 12月12日 | 始める日の、1か月前までに出す |
研修をする | 2027年1月12日 〜 1月26日 | 計画届を出す前に、始めない |
申請する | 1月27日 〜 3月26日 | 終わった日の翌日から、2か月以内 |
この例では、計画届の期限(12月12日)が、いちばん先に来ます。研修の日程を決めたら、すぐ、計画届の期限を書き出すのが安心です。
例3 研修の内容を、仕事に直結しているかで見分ける
研修の内容は、「自分の仕事に直結しているか」で見分けます。
研修の例 | 仕事に直結? | 対象かどうか |
|---|---|---|
営業担当者が、生成AIで提案書の構成案や文章を作る | 直結している | 国が、対象になる例として示している |
経理担当者が、生成AIで書類の確認を手伝わせる方法 | 直結していそう | 労働局に、確かめる |
プロンプトの作り方だけを学ぶ | 誰にでも共通する | 対象外とされている |
AIの歴史や仕組みの講義だけ | 仕事に結びつきにくい | 労働局に、確かめる |
2行目と4行目は、編集部が考えた例で、対象かどうかは、労働局に確かめる必要があります。
助成金を使うときの注意点
- 研修は、計画届を出す前に始めない。先に始めた分は、戻りません。
- お金は、先に会社が払う。あとから戻るまでの間、費用の用意が必要です。
- 10時間以上あるかを、先に確かめる。休憩や移動の時間は、含まれません。
- 自分の仕事に、直結する内容か。誰にでも共通する内容だけの研修は、対象外とされています。
- この制度は、2027年3月末までと決められている。その先は未定です。
よくある質問
Q. 補助金と、何が違うのですか?
補助金は、審査で選ばれた会社が、もらえます。助成金は、決められた条件を満たせば、原則として、受け取れます。
Q. 先に研修を始めてしまいました。もう戻りませんか?
始めてしまった分は、戻らないことが多いです。これから始める研修が、あれば、その分から、計画届を出せるかどうかを、労働局に確かめてください。
Q. 10時間に、少し届きません。
原則10時間以上が、必要です。日程や内容を、見直せるかどうか、研修会社や労働局に、相談してください。
Q. どこに、問い合わせればよいですか?
会社がある地域の、労働局です。細かい条件や、書類の出し方は、そこで直接、確かめられます。
最後に: 期限と、分からないときの問い合わせ先
この制度は、2027年3月末までと決められています。その先は未定です。詳しい条件は、会社がある地域の労働局に、直接問い合わせられます。
「AI研修の助成金を、使えるのかが分からない」「どんなAI研修なら、仕事に直結するのか、判断できない」「申請の順番が、整理できていない」。そんな段階からでも、自社の業務に合わせて無料でご相談いただけます。
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